私の楽器づくり
佐伯 和良
【カテゴリー:趣味】
シニア会たより 特別編 第1号(1/3)より続く
次にその後の楽器づくりを報告する。第1編の図2に示す楽器群を作っていたので 楽器づくりも一段落したかと考えていたがその後、山中湖の音楽祭でハープの演奏を聴き、アイリッシュハープなら家にある建築廃材を使って作れるのではないかと考え た。構造はよく分からなかったが、三角形の枠を作り、弦を張って、オルゴールのように箱と組み合わせれば音は出るはずだと考えた。ネックやコラム等強度部材は、山 荘のデッキの廃材で水に沈むほど比重の大きい30mm厚のウリン材から切り出した。 三角形の構造体の中に弦を張ることにした。(図1)
糸巻きはいろいろ考えて1本30円のM6六角穴付きボルトに孔を開けてナットで締め付けた。半音調整用のレバーはつけてないので途中で臨時記号が出てくる曲は対応 できない。本物の弦は高価なので低音部は電気ギター用の弦を使用し、高音部のナイロン弦はクラシックギター用の使用済み弦を使った。29弦のハープになった。響鳴箱 は家の廃材で作った。
一応完成したと思っていたところ、これが大失敗していることが分かった。チェロ でもヴァイオリンでも左に構えるので、その積りで作ったがハープは右に構えるもの だった。即ち左右逆に作ってしまった。(図2)
年が代わってコロナ禍の自粛期間が始まったので、この機会に作り直すことにし、ネック部分を作り直した。響鳴箱も節無しの板材にした。台の部分に共鳴箱を入れてみた。(図3)
本物をよく見ずに構造も含めてこれで良いはずだと想像だけで作ってみたが音は何とか出ていると思う。
どの楽器も専門家には反対されそうだが安価な材料で独自のアイデアを盛り込み 手作りした。お陰でこれまでのところ退屈することはなかった。
次に取り組んだのはギターチェロの平板で作っていた裏板を厚板の彫り込みにし たことである。先ず、30mm厚、幅300mmのスプルース材を半分にのこぎりで切り左右に張り合わせて幅を広げた。板厚2.5mm目標に彫り込んだ。マイクロメータ付き測定器を買ったが、板を電灯にかざして通過した色を見て面で測定する方法を見つ けてこちらを採用した。(図4)
ギターチェロは裏の平板部分を切り離し厚板彫り込みの裏板に張り直した。(図5) これで弦楽四重奏が出来る楽器がそろった。(図6) また、胴体取り換え式になっているので厚さを変えて容量を小さくした交換用胴体も作った。
第3編に続く