2023年度「エンジニア塾」を終えて
中山良一
「エンジニア塾」は、関東支部シニア会で企画・運営する小学生向けの年間講座シリーズ。
2021年度コロナ禍にトライアルで開始、今回2/25に2023年度第3回「エンジニア塾」修了式を迎えることができました。今年度の活動の概要報告と2024年度以降の活動に対するご協力のお願いをまとめてみました。
2021-22年は、コロナ禍が続いており、小学生とシニアが対面でイベントを実施することは、殆ど困難でしたが、2023年はWeb遠隔と対面を併用して実施できました。なお、本「エンジニア塾」の活動を各支部と協力して、一部イベントを全国版「エンジニア塾」としてWeb利用実施しました。
参加者は、11名(全員JSMEジュニア会友、男子6名、女子5名、2022年からの継続5名、小学1年生から6年生)でこれまでの最多参加でした。
年間の活動状況を表1に示す。
表1 2023年度「エンジニア塾」実施状況 | ||
日程 | 項目 | 内容 |
2023年5月28日(日) PM14-17時 |
・エンジニア塾開校式(対面+Web) | 開校の挨拶、主旨説明、参加者自己紹介 全体説明・スケジュール紹介・見学について説明(Web等~7月末) |
6~8月(随時) | ・見学会(3-5ヵ所) | 各自が興味を持っている見学先候補リストから選んで、6月-8月中に3件以上を各自でWebまたは家族単位で見学して、感想をフォーマットに記入して、8月末までに提出すること |
2023年7月9日(日) PM14-17時 |
・第2回「ものつくり」イベント(対面) | 対面でロボットキットを親子で組立、高学年向けにクローラロボット、低学年向けに歩行ロボットを作り、競争するイベント |
2023年8月27日(日) PM15-17時 (他支部との合同) |
第3回「エンジニアの仕事について」(Web) | エンジニアの仕事(講演20分)×2件 見学へのアドバイス 質疑応答 |
2023年9月24日(日) 終日AM9-PM16時 |
第4回「つくば見学会」(現地) | 筑波研究学園都市の研究施設など5ヵ所訪問し、先端技術や過去の機械事例を学ぶ。シニア会メンバー、学生会メンバーとの交流予定。感想をフォーマットに記入して、10月末までに提出 |
2023年11月12日(日) (他支部との合同) |
第5回「ものつくり」イベント(対面+Web) | 機械の仕組みを知るイベント、簡単な工作で仕組みを知ること、CADやCAMを学ぶこと、ロボットの制御を学ぶこと |
2023年10~11月 | ・各自で大学祭へ参加(対面) | 大学主催イベント候補を各自で複数選定、感想をフォーマットに記入して、11月末までに提出 (一部シニア会メンバーも参加) |
2023年12月17日(日) (他支部との合同) |
・第6回エンジニア塾(Web) ・シニアおよび学生からアドバイス ・「ことつくり」イベント |
事前に未来を考えた「絵画コンクール」作品を配布して、将来どの様な「こと」をしたいかを議論し、シニア会メンバーからアドバイス |
2024年2月25日(日) (他支部との合同) |
・エンジニア塾修了式(対面+Web) | 参加者の感想(本人+保護者) シニア会メンバーによるアドバイス 修了証授与式 |
(7/9実施の第2回「ものつくり」イベント2023/7/31付けで報告済み) |
〇開校式(対面とWeb併用開催)
神宮外苑のTEPIA 先端技術館(シニア会員渡邉氏が常務理事)の施設で開催、「エンジニア塾」 活動の概要説明。さらに開校式と併せてTEPIA見学会を実施(2023/5/28 写真1-3)。
〇第3回「エンジニアの仕事について」(Web開催)
エンジニアの仕事を小学生に分かり易く紹介、夏休みに見学した時の感想などの意見交換実施。
〇第4回「エンジニア塾」(見学会)
つくば市内の研究施設(4カ所とエクスポセンター)をバス利用で見学、科学技術からエンジニア リングまでの幅広い施設で解説、メンバーがそれぞれの施設で色々なことに興味を持った様子。最後にJAXAで宇宙関係装置などを見学(2023/9/24 写真4-7)。
〇第5回「ものつくり」(対面+Web開催)
TEPIA保有の加工機を利用した「リンク機構」つくり、レーザー加工機によるネームプレート つくり、簡単なCADを利用したリンク機構の作画を体験・実施(2023/10/12 写真8-11)。
〇第6回「ことつくりと大学生に聞く」(Web開催)
エンジニアの仕事に大切な「ことつくり」と「ものつくり」について解説。大学院生、大学生 各2名が機械系に進学した動機、現在の研究を説明、それらについての質疑応答。
〇修了式(対面とWeb併用開催)
開校式と同様TEPIA先端技術館にて、修了授与式を実施。イベントの感想をメンバーと保護者 から伺った(写真12-13)。
<2024年度に向けて>
〇全国で行われている小学生向けイベントとの連携をさらに図り、JSMEの次世代へ向けた活動を強化する。対面開催とWeb開催を併用、参加者の利便性を向上して、多数の参加動員を図る。
〇開催イベントの日程を予め年間計画として決定し、参加者のスケジュール確保を図る。
〇「ものつくりイベント」では、企画内容を検討し、TEPIA設置の工作機械活用を図る。
〇参加者間の交流を図る機会を「エンジニア塾」開始時に設けて、各イベント実施における相互協力などがスムーズに行える改善を図る(学年を越えた「塾」活動の充実)
<シニア会メンバーの参画のお願い>
現在、「エンジニア塾」の企画・運営について、主としてシニア会運営員経験メンバー(4名)と現運営委員(会長+3名)で行ってきました。しかし、2024年度以降シニア会主催のイベント実施の増加が見込まれるため、「エンジニア塾」専任メンバーを募集する。是非、「エンジニア塾」の活動 を継続・充実して、皆様方の後継者(機械系エンジニアの卵)を育成する活動に、ご協力頂きたい。
本活動は、JSMEが掲げている2020年度「学会横断テーマ」の一つである「未来を担う技術人材 の育成」: 山本誠(東京理科大学)の活動の大きな柱であることもご理解頂きたい。
応募・問い合わせにつきましては、中山(nakary@drive.ocn..ne.jp)まで御連絡ください。
<謝辞>
TEPIA渡邉常務理事、藤江チーフスタッフ他の皆様方へご協力、感謝申し上げます。
JSME大黒課長、関東支部シニア会鳥毛会長、高屋幹事、新山委員、福地委員、本阿弥元会長、中村 元委員、笠井元委員および学生会担当の曽佐委員へ「エンジニア塾」の企画・運営にご協力頂きましたこと、感謝申し上げます。