海と船と人と
村野 健一
【カテゴリー:趣味】
学生のクラブ活動として同好会ヨット部でヨットに触れて以来、45年も海に出かけるライフスタイルを貫いています。学生時代は二人乗りのディンギーという14フィートくらいのヨット(セールボート)でレースに参加し(写真1)、同好会クラブの活動をしていました。社会人になると、卒業生が集まり、クルーザヨット(最初は23フィート)を数名で購入し、東京湾や相模湾でクルージングを楽しんでいました。
ヨット、海の魅力は、ひとつには仲間とワイワイ飲みながら乗ること、海の生物との出会い、例えばイルカ(写真2)やクジラ、飛魚、カモメなどの海鳥、今は相模湾では禁止ですが引き釣り(モータボートのスタイルではトローリングに該当)で釣れるカツオ、シーラなどの比較的大型の魚たち。関東での活動でしたので、三浦半島の三崎のマグロ屋巡りや、熱海、伊東などの伊豆半島温泉巡り、伊豆大島や新島、神津島、三宅島などの島巡り。それと何よりも良いのは、セールだけで帆走するときの静けさ、ナチュラルな感じと海そのものの爽快感が今まで続けてきた理由です。
また、卒業生は工学部だけでないクラブでしたので、経済、商学部の奴らは金融系に就職していましたし、放送系、商社など異分野の話題も刺激となって、今の仲間たちと続けられる要因になっています。
皆様が多少ご存じだと思いますが、ヨットの競技としては、アメリカズカップというのが有名です。これは大型のヨットによる競争ですが、最近は水中翼船のように海面から浮上して走ることを競うようになり、以前の“船”というスタイルから進化してしまい、古い船の形が好きなオールドセーラとしては少し残念です。一方ディンギーの競技としては、今年のパリオリンピックのセーリング470クラスで銀メダルを取りました。本当に嬉しかったです。ただ、報道としてあまりされていなく一般の人の認知度が低いことが残念です。ヨット競技は、海面に設定された3つのブイを順番に早く回ることで勝敗を決めますが、風の方向や海流の影響による針路の選択、他の船との駆け引きが面白いところで、その魅力を理解してもらうことが重要なのですが、時間がかかることが報道されない理由かもしれません。
大型ヨットの競技としては長距離を競うレースで、相模湾では伊豆の初島と伊豆大島を回るレースや、さらに長距離では沖縄から相模湾まで競うものなどがあります。長時間のセーリングとなるので、夏の風がない時は暑さ地獄、風があり、波も出てくると地獄で、航路の途中にそのような状況になると耐えるしかありません。私もレースではなく、クルージングで葉山から相模湾を横断し熱海までセーリングすることがありますが、5時間くらい要します。天候によっては、風に向かって耐えていることもあり、ふと我に帰り、何でこんな耐えることをしなければならないのか、理解に苦しむこともあります。ただ、それだけ耐えていくと、到着した時の達成感が格別なものがあります。長距離レースでもしかりです。目的地に到着した後の、温泉や宴もより楽しめます。
そんなわけで、長きにわたり海とヨット生活にハマっているわけですが、仕事を離れ、海に行くことは最高のリフレッシュとなり、仕事を引退しても長く続けていきたい趣味となっています。