JSME関東支部シニア会からのお知らせ

シニアの持つ経験、技術、知恵の継承

シニア会たより 第21号



多種多様な学生持参PC端末による仮想PC上のCAD教育実施について

高屋 真二

【カテゴリー:体験・技術】

 従来の旧運用システム(図1)から新運用システム(図2)に変更し、従来の『教室設置の統一PC』ではない『多種多様な学生持参PC』を端末とした仮想PC上のCAD教育実施状況と気が付いた概略を述べます。用語等の説明は省略させていただきます。

図1.旧運用システム概要図
図2.新運用システム概要図

 最初に、システム構成・運用方法と学内外ライセンス管理の簡易マニュアル作成により、若干名の学生への個別指導が必要でしたが、問題なく進められました。
 2番目には、実績のない教室での学生PC70台の学内無線LAN接続したCAD教育授業ができることが確認でき、胸をなでおろしました。
 3番目には、多種多様な学生PC[メーカー12社/OS Windows10,11OSX/ディスプレサイズ1116インチ]に若干の問題が出ました。当初、提供データ移動を仮想PC⇒所有PC⇒仮想PCにしたため、特にMacでは提供データの文字化けが発生した。対策として、仮想PC内のみのCAD操作&データ移動に変更し、多種多様な学生PCに対応できるようにしました。
 最後に、学生のPC操作について考えさせられることの一端を述べます。
一つ目は、驚いたことにURLで開いたらログアウトしないことです。ハングアップした学生PCを見るとURLがなんと20数個開かれたままで、一部ログアウトさせたら操作可能になりました。同様に、CADソフト操作でも、CADソフト複数個起動させたまま操作したり、部品やアッセンブリを作成済みでも多数開いた状態で反応時間が遅くなっても使用したり、最終的にハングアップさせる学生がいます。
二つ目は、学外LAN接続した状態で入校し、学内LAN接続に切り替えたときの接続不良になることが数件見られ、基本的には授業前に再起動するように指導しました。
三つ目は、タッチパッドに慣れたマウスなし学生がいることです。そのため、急遽タッチ(トラック)パッド操作方法(図3,4)を作成したことは、パッドのいい勉強になりました。

 以上のように、大きなトラブルもなく、今まで同様に教育が進められたことは幸いでした。